センターの概要
「四国5大学連携による知のプラットフォーム形成事業(平成24年度採択)」の1事業として、四国の
5国立大学(徳島大学、鳴門教育大学、香川大学、愛媛大学、高知大学)(以下、「5大学」と言う。)
は連携して入学者選抜の改革に取り組むことになりました。このために設置されたのが四国地区
国立大学連合アドミッションセンター(以下、「連合センター」と言う。)です。
5大学が連携して解決に当たるべき共通する課題として、まず考えられるのは、人口減少が確実視
される中、志願者をいかにして安定的に確保するかです。本来これは、入試広報や選抜方法の工夫
だけで解決できる問題ではありませんが、広報や選抜方法の改善は、5大学の存在感を高め、四国
という地域に目を向けさせる一手段にはなります。5大学が連携して入学者選抜方法やこれに関連す
る業務の少なくとも一部を共通化すれば、スケールメリットが生まれ、受験生等へのアピール力も高ま
ります。
全国的な課題としては、平成26年12月の中央教育審議会答申が指摘する一連の根源的な問題が
あります。中でも、テスト結果の数値が重視され、学力の三要素を踏まえた多元的な評価方法が不十分
であるという問題の是正が急がれます。これには国レベルの施策も必須ですが、個別選抜は各大学で
対応する他はありません。その際、部分的であるにせよ、複数の大学が一致して新たな選抜方法に移行
するなら、地域の受験生や高校教員等の理解も得やすくなります。この意味で、同答申が提案するような
入学者選抜を5大学の連携で進める意義は大きいといえます。
それらの状況認識のもとに連合センターが着手した事業は、インターネット出願の導入です。私立大学
で先行したインターネット出願は、国立大学でも広がり、最早珍しいものではなくなっていますが、5大学
がこれを開始した平成27年度の時点で、複数の国立大学が合同で出願サイトを構築するという構想は
先駆的でした。
本事業の5大学によるインターネット出願が先行大学と異なるのは、出願方法の変更にとどまらず、選抜
方法の改善を目的にしている点です。5大学では、志願者の活動歴等についてオンラインで入力を求め、
これを選抜の一資料にすることで、志願者をより多面的・総合的に評価する道を開きました。
「四国5大学連携による知のプラットフォーム形成事業」は文部科学省の補助金事業としては、平成29年
度末で終了しました。しかし、今後5年間(平成30年度から令和4年度)の事業継続を5大学は合意し、連合
センターも存続しています。
連合センターはこれまでの取組を継続する一方、新たな入試への対応も進めています。